2012年05月10日

小話というかコネタ。

※パラレルです。
※中2病全開です(割といつもそうですが)
※もう書く気があんまりないのでネタとして晒して終わります。




高校生のエドワードの前に突然現れる黒衣の男。その背中には大きな白い羽根が生えていた。
戸惑うエドワードに「自分は天使だ。君はこのままだと遠からず死ぬ。……だから、私が守りに来た」と黒衣の男は告げる。

ロイと名乗るその「天使」の姿がエドワード以外の人間には見えない事や、その羽根で空を飛べる事で、エドワードは非常識だと思いながらもロイの存在を受け入れる。
ロイ曰く、生者と死者のバランスが崩れているのだという。その均衡を保つ為に「死者」になる事が決められたのがエドワードなのだという。
しかし、エドワードの本来の寿命はまだまだあり、若くして死なせるのも不憫だという事で、ロイがエドワードを守り、一週間を耐えきれたらエドワードが死ぬ事は免れる。
釈然としないながらも、最近車に轢かれそうになったり、駅のホームから落ちたり、危ない事が続いているがゆえにロイが護衛する事を承知する。

「私は……君に命を救われているから」
エドワードには全く覚えの無いロイの言葉は、ロイが過去に犯した「罪」の為、輪廻の輪に取り込まれてしまった時のものだという。
時に虫や動物に生まれ変わり、辛い想いをしている時にエドワードが必ず助けてくれた。その為、ロイもエドワードに恩返しをしようと決めたのだという。

しかし、その一週間の最後の日、エドワードの上に降って来た鉄骨からエドワードをかばい、ロイがその下敷きになってしまう。
どうしてこんな事を、とロイにすがって泣くエドワード。しかしロイは「これでいいんだ」と笑う。
「――…君を守りに来たのは、命令ではない。……命令違反なんだ。君を守る為に、私が独断で動いた」
「え……?」
「選ばれた人間は必ず死ななければならない。それを覆す為には、他の命が必要だ」
「それって、まさか……」
「私が、君の代わりに死ねばいい。私は自殺が出来ないから、苦労したよ。でも、これでやっと君を守れた。……もっとも命令違反になるから、もう少し輪廻の輪に取り込まれる事になるだろうが」
満足そうに笑うロイ。
「馬鹿、そんな事されても、嬉しくねえよ……!」
「――…生きてくれ、エドワード」
光の粒になって消えるロイ。
「私は、君に……恋をしていたのかもしれないな……」

急に現実の音が戻ってくる。
「大丈夫か、君?! 怪我は!」
「救急車、救急車を呼べ!」
その場に座りこみ、ただ泣きじゃくるエドワード。


ロイとの別れ以来、虫や動物を見かける度に「ロイかもしれない」と思ってしまうエドワード。
雨の中捨て猫を見つけるエドワード。
しかし母トリシャが猫アレルギーの為、拾う事は出来ない。そっと傘を立てかけてその場を去ろうとするエドワードに、声がかけられる。
「それでは君が濡れてしまうぞ」
聞き覚えのある声に、エドワードは驚いて振り返る。そこにはスーツを着たロイが立っていた。
「ロ、イ……? 大丈夫だったのか?! 怪我は!?」
「え、け、怪我……? それに何故、私の名前を……いや、それよりも風邪をひく。傘をさしなさい」
そう言いながら、仔猫を拾い上げるロイ。エドワードとは初対面のような態度。
「この猫は私が引き取ろう。まずは身体を暖めてやらないとな。……君も来るか?」
ロイの家についていくエドワード。
落ち着いてから「ロイ・マスタング」と男は名乗る。
「君は――…当ててみせようか。エドワード、だろう?」
「どうして……」
「……男から言われても気持ち悪いかもしれないな。夢で、君に会った。君の事をよく知っているような気がする。それに、さっき、怪我と言っただろう?」
ロイの脇腹には、生まれつき大きな傷があるのだという。
ここでロイの言葉が脳裏に蘇るエドワード。
(時間を超えて、また輪廻の輪に――…)
ぽろぽろと泣き出すエドワード。慌てるロイ。
「すまない、泣かせるつもりは無かったんだが……そんなに嫌だったのか?」
見当外れの事を言うロイに、何だかおかしくなるエドワード。
ぎゅっと抱きつくエドワード。
「――…オレは、ロイの事、よく知ってるよ。信じられないかもしれないけど……ずっと、ずっとあんたに会いたかった」
「……そうだな。私も、君に会いたかった」
多分、ずっと。

posted by 観済寺凪之介 at 07:38| 小話